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山種美術館
〒150-0012 東京都渋谷区広尾3-12-36


特別展 上村松園 生誕140年記念

松園

華麗なる女性画家たち

山種コレクションの松園、一挙公開!

Special 140th Anniversary Exhibition:
Uemura Shôen and Splendid Japanese Women Artists

 2015年は、女性で初めて文化勲章を受章した上村松園(1875-1949)の生誕140年にあたります。 これを記念し、松園を中心に、近代・現代日本画壇における女性画家たちに注目した展覧会を開催いたします。 清らかで端正な美人画を手がけた松園は、近代日本画を代表する重要な存在として位置づけられています。 1890(明治23)年、皇室による日本美術の保護と作家の制作奨励のため帝室技芸員制度が設けられ、1944(昭和19)年までに79名が任命されました。 松園もその一人であり、男性作家が大半を占める中でその栄誉を受けたことは、女性の社会的な立場や活動の場が限られていた時代ながら、画家として高く評価されていたことを示しています。
 本展は、女性画家の質の高い研究を蓄積されている実践女子学園香雪記念資料館と山種美術館の連携企画として開催いたします。…  【主催者】

本展の見どころ
Ⅰ 山種コレクションの松園作品全18点を、一挙に公開!
山種美術館創立者・山﨑種二が親しく交流した松園。 その代表作 《新蛍》、《砧》、《牡丹雪》 など見応えたっぷりです。
Ⅱ 女性初の文化勲章受章者・上村松園、女性初の帝室技芸員・野口小蘋
社会における女性の活躍の場が少なかった時代、画壇の第一線で日本美術の発展に貢献した松園と小蘋。
人物画や風景画など、二人の個性あふれる作品をご紹介します。
Ⅲ 華麗なる女性画家たちの競演
幕末から明治・大正・昭和、激動の時代を生きた女性画家たちの人物像と作品の魅力に迫ります。


会期: 2015 4/18(土)~6/21(日) 展覧会は終了しました。
*会期中、一部展示替えを行います。
開館時間:午前10時から午後5時 (入館は午後4時30分まで)
休館日:月曜日(但し、5/4は開館、5/7は休館)
会場:山種美術館


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「松園と華麗なる女性画家たち」山種美術館

上村松園 生誕140年記念
「松園と華麗なる女性画家たち」展山種美術館
プレス説明会 & プレス内覧会 '2015 4_20



【展覧会の構成】 ―「松園と華麗なる女性画家たち展」図録、プレスリリース他からの抜粋文章です―

 本展では、《新蛍》、《砧》、《牡丹雪》 など山種美術館所蔵の松園作品全 18 点を一挙に公開いたします。 加えて、女性初の帝室技芸員でもあった南画家・野口小蘋晩年の代表作 《箱根真景図》(山種美術館) をはじめ、小倉遊亀、片岡球子、北沢映月らの日本画をご紹介いたします。 さらに、女性画家研究の蓄積がある実践女子学園香雪記念資料館のご協力により(★)、同館所蔵の小蘋、および奥原晴湖、河鍋曉翠、伊藤小坡、池田蕉園、島成園らの作品を合わせて展示いたします。…
★本展は、山種美術館と実践女子学園香雪記念資料館の連携企画です。


上村松園《牡丹雪》

第1章 上村松園
 上村松園は、終生、女性の姿を一貫して描き続けた。 近代日本画における美人画の名手として不動の地位を築き上げた画家です。 女性の社会的な活動が現代に比べてきわめて限られた時代を生きながら、一途に画業に没頭しました。 制作に行き詰まり思い悩んだ時期もありましたが、古画、歴史、古典文学、能などを徹底的に研究し、その様式や技法を学びとりながら、凛とした美しさを感じさせる清らかで、格調高く気品に満ちた女性像を確立します。

・右側16 上村松園(1875-1949) 《牡丹雪》 1944(昭和19)年 芸術院会員陸軍献納画展
絹本・彩色・軸(一幅) 70.5x86.5 山種美術館蔵
 どんよりとした灰色の雪空の下を若い娘が行きすぎる。 傘をさした二人の人物を画面の左下にいくぶん小さく描き、上部を大きく空けた大胆な構図である。この余白を広く取ったことにより、雪の降りしきる果てしない空の拡がりと鬱陶しさ、冬の日の寂しさまでをも感じさせる。


野口小蘋《箱根真景図》

第2章 野口小蘋と帝室技芸員
 1948(昭和23)年、松園は女性初の文化勲章を受章しました。 その4年前の1944年には、皇室による美術の保護奨励の制度として明治から続く帝室技芸員に任命されています。 このとき拝命した15名のうち、女性は松園ただ一人。 ただし、女性初の任命ではありませんでした。 実は40年前の1904(明治37)年、女性で初めて帝室技芸員となった画家がいたのです。 それが野口小蘋です。 松園より30歳近く年上の小蘋は、国内外の展覧会で高く評価されました。
帝室(皇室)技芸員とは、皇室の保護のもと、美術の奨励を目的とした優れた美術家に与えられた栄誉職で1890(明治23)年から1944(昭和19)年までの55年間に79名が任命された。(小蘋と松園を除き、全員男性である。)

・27 野口小蘋 (1847-1917) 《箱根真景図》 1907(明治40)年 紙本・彩色・屏風(六曲一双) 各128.5x303.1
山種美術館蔵
 宮内省の命により制作された屏風で、竹田宮家旧蔵と伝わる。 右隻は箱根権現付近から富士山を望む春景、左隻は芦ノ湖に突き出た塔ヶ島の離宮を望む秋景が描かれ、伝統的な一双屏風の画面構成にまとめている。


河邊青蘭《態濃意遠図》

第3章 華麗なる女性画家たち ―幕末から現代まで
 女性画家の活動が盛んになるのは江戸後期(19世紀)のことです。 教育の普及と学問の大衆化が進む中で、文化活動に従事する女性が増加し、画家の娘や妻という立場ではなく、一人の自立した画家として活躍する女性たちが登場しました。 その系譜に連なるのが、奥原晴湖や河邊青蘭をはじめとする女性南画家です。 また、20世紀に入ると、松園の成功を皮切りに、池田蕉園や島成園など、華々しくデビューを飾り、高い評価を得ます。 戦後は、松園と同じく文化勲章を受章した小倉遊亀や片岡球子のように、自らの画境を極める女性画家が登場しました。

・45 河邊青蘭 (1868-1931) 《態濃意遠図》 1889(明治22)年 絹本・彩色・軸(一幅) 154.1x70.7
実践女子学園香雪記念資料館蔵
 青蘭21歳の作、自題の「態濃意遠図」(容姿は美しく、心は気高い)は、唐の杜甫(712-770)の長詩「麗人行」に由来し、長安の春に行楽する楊貴妃の姉一行の美しい姿を表す語である。 だが、絵は、詩の内容を直接描くものではなく、数多くの中国風の宮女たちが、四季の推移する美しい園林で遊興する様を、細やかに華麗に描く。 その図様は明代美人画風だが、一図に四季を描く点は日本的である。



作家解説

上村松園(1875-1949)

 京都に生まれる。 本名津禰。 京都府画学校(現・京都市立芸術大学)に入学、鈴木松年に師事したのち、幸野楳嶺、竹内栖鳳に学ぶ。 15歳で内国勧業博覧会の一等褒状に選ばれ、その後も様々な展覧会で受賞を重ねる。 文展、帝展を中心に活躍し、江戸・明治の風俗、和漢の古典や謡曲に取材した女性像を手がけた。 1941(昭和16)年、帝国芸術院会員。 1944年、帝室技芸員。 1948年、女性初の文化勲章を受章。

野口小蘋(1847-1917)

 大坂に生まれる。 本名親。 四条派を学んだのち、南画を日根対山に学ぶ。 1871(明治4)年上京し画家として活動。 結婚後、一時山梨に住むが再び上京。 内国絵画共進会をはじめ、国内外の展覧会で名声を高める。 1904年、女性初の帝室技芸員となる。 南画を基礎に写実風を加味した山水、花鳥を得意とし、皇族方に重用された。

河邊青蘭(1868-1931)

 大坂に生まれる。 本名もと子。 橋本青江に師事。 1890(明治23)年、東京美術協会出品作が英照皇太后の御買い上げとなる。 内国勧業博覧会など各地の展覧会に出品、受賞を重ね、東の野口小蘋、西の青蘭と並び称される。 女性の弟子を数多く指導、また夫・尚謙との間に一男一女をもうける。

伊藤小坡(1877-1968)

 三重に生まれる。 本名佐登。 森川曽文、谷口香嶠に師事。 1905(明治38)年、香嶠門下の伊藤鷺城と結婚。 文展で活躍し、京都画壇の新鋭女性画家として名を馳せる。1919(大正8)年、日本自由画壇結成に参加するが、翌年には帝展に復帰。 大正期は当世風俗を多く描き、昭和期は歴史風俗へと大きくテーマが変化した。


★ 山種美術館・実践女子学園香雪記念資料館 連携企画 同時開催中

実践女子学園創立120周年記念特別 華麗なる江戸の女性画家たち

会期:2015年 4月18日~6月21日 開館時間:10:00~17:00 入館料:無料
会場:実践女子学園香雪記念資料館 企画展示室1・2
〒150-8538 東京都渋谷区東1丁目1番49号 TEL:03-6450-6805 http://www.jissen.ac.jp/kosetsu/
主催:実践女子学園香雪記念資料館 協力:山種美術館


お問合せ:03-5777-8600 (ハローダイヤル)
美術館公式サイト:http://www.yamatane-museum.jp/
主催:山種美術館、日本経済新聞社
協力:実践女子学園香雪記念資料館


参考資料:「松園と華麗なる女性画家たち展」図録、Press Release、他。
※写真撮影は全て、主催者の許可を得て行っております。


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